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スレート屋根の塗装で必要な「タスペーサー」とは?役割やメリット、費用相場などを解説

2021.09.17
屋根塗装の見積もりを業者に依頼した際、「タスペーサー」という言葉を初めて見た方も多いのではないでしょうか。
「タスペーサーって何?本当に必要な物なの?」
「タスペーサーの費用相場ってどのくらい?」
など、こちらの記事をご覧になっている方のなかにも、さまざまな疑問を抱いている方がいるでしょう。

そこで今回は、タスペーサーとはどのような物なのか、必要性や費用相場について解説します。屋根塗装を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
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屋根塗装に必要な「タスペーサー」とは?


「タスペーサー」とは、セイム株式会社が製造している部材であり、スレート屋根の重ね目に差し込むことで「縁切り」ができる道具のことです。

そもそも縁切りとは、屋根材同士の間に隙間を作る工程のことです。

というのも、屋根は隙間なくつながっているのではなく、屋根材同士が隙間を持って重ね合わされていることで、雨水の通り道を確保しています。しかし、屋根塗装をすると、屋根材同士の隙間に塗料が入り込み、本来あったはずの雨水の通り道を塞いでしまいます。雨水が排水されない状態となれば、屋根に水が溜まった状態となり、釘を伝って住宅内部に雨水が入り込む原因となるため危険です。

そこで、従来の屋根塗装では「縁切り」という作業を塗装後に行っていました。専用の道具を使用し、塗装が完了した後に隙間に入り込んだ塗膜を手作業で切っていたのです。

しかし、手作業による縁切りは工数がかかるうえに、作業後、塗料が乾燥する過程で再び塗膜がくっついてしまうケースも少なくありませんでした。

一方、タスペーサーを使うことで、手間のかかる縁切り作業を効率化できるようになり、現在では一般化しつつあります。とはいえ、現在でも従来のやり方にこだわっていたり、知識がアップデートされていない業者が一定数いることもあり、取り扱われていないケースもあります。

塗膜カッターとタスペーサーの主な違い

従来の縁切りでは、「塗膜カッター」という道具を使って作業を行うのが一般的でした。

屋根塗装で塗膜カッターを使用する場合と、タスペーサーを使用する場合における違いは以下の通りです。

  塗膜カッター タスペーサー
実施するタイミング 塗装後 塗装前
必要な工程 多い 塗膜カッターに比べて少ない
塗装後の作業 必要 不要
縁切りの精度 塗料が乾燥する過程で、再び塗膜がくっついてしまうことがある 一定の隙間を確保できるため、塗膜がくっつかない

以上のような違いがあり、作業効率の高さや精度の高さから、手作業による縁切りよりもタスペーサーを設置するのが一般化しつつあります。
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塗膜カッターと比較したときのタスペーサーによる縁切りのメリット


塗膜カッターとは、塗膜を切って雨水の通り道を確保する道具である一方、タスペーサーは、塗膜を形成する前の段階で塗装面に設置し、隙間を形成する道具です。使用方法が異なる分、さまざまな違いがあることは先に解説した通りです。

では、塗膜カッターを使用する場合と比較して、タスペーサーを使用する具体的なメリットを見ていきましょう。

縁切り部分の塗膜が剥がれる心配がない

塗膜カッターによる縁切りは、すでに塗装した部分をカットして隙間を強引に作るため、周囲の塗膜剥がれるリスクが伴います。

一方、タスペーサーは塗装前の段階で設置、後から引き抜く必要がありません。そのため、塗膜を傷つけるリスクを軽減でき、完成度の高い屋根塗装を実現しやすくなります。

塗装した屋根を足跡で汚す心配がない

塗膜カッターで縁切りを行う場合、塗装後に実施することから、完成した塗装面の上を歩かなければなりません。そのため、足跡で屋根を汚してしまったり、屋根を破損させたりするトラブルが起こりがちです。

しかし、タスペーサーなら塗装後に屋根の上を歩く必要がないため、足跡が付いたり、屋根が破損したりする心配がない点もメリットといえるでしょう。

塗料で屋根材の隙間が埋まる心配がない

塗膜カッターで縁切りを行う場合、塗装の翌日に作業を行うのが一般的です。しかし、この段階で塗料が十分に乾燥していない場合、十分な隙間が確保できず、結局縁切りをしても塗膜が塞がってしまう可能性があります。

しかし、タスペーサーを使用すれば、塗装後まで一定の隙間が確保されます。塗料の乾燥具合によって、縁切りの仕上がりが左右されない点もタスペーサーならではの魅力です。

作業工数・期間の短縮につながる

タスペーサーは作業工数の削減につながることもメリットとして挙げられます。

屋根の大きさによりますが、従来の縁切り作業は、2人で作業しても丸1日かかることが一般的でした。しかし、タスペーサーを設置する方法なら、屋根材の隙間にタスペーサーを差し込むだけなので、1人で作業しても2時間ほどしかかかりません。

作業工数の削減に伴い人件費を削減することができるため、施工費用を抑えられて顧客にもメリットがあります。
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タスペーサーが必要な屋根の種類


屋根塗装におけるタスペーサーの役割やメリットについて解説しましたが、必ずしもすべての屋根塗装で必要なわけではありません。

ここでは、タスペーサーが必要な屋根の種類を解説します。
 

スレート屋根

「スレート屋根」やスレート屋根の屋根材の種類である「コロニアル」「カラーベスト」にはタスペーサーが必要です。

というのも、スレート屋根は屋根材が薄いため、屋根塗装を行うと塗膜で隙間が埋まりやすいため、タスペーサーで一定の隙間を確保しておく必要があるからです。
 

タスペーサーが不要なスレート屋根もある

先に解説した通り、スレート屋根の屋根塗装において必要なタスペーサーですが、不要な(設置できない)ケースもあります。
 

スレート屋根の傾斜が緩やかな場合

スレート屋根の住宅であっても、3寸勾配(17度)未満の緩やかな勾配の屋根にはタスペーサーが使用できません。

傾斜が緩やかな屋根にタスペーサーを設置すると、タスペーサーが屋根材を傷つけてしまう恐れがあり、使用が推奨されていないからです。自宅の図面を持っている場合は、屋根の傾斜を確認してみましょう。

ただし、タスペーサーが使用できないからといって縁切りが不要なわけではありません。スレート屋根の傾斜が緩やかでタスペーサーが使用できない場合は、縁切りカッターによる縁切りが必要となるため、工程に含まれているか事前に確認しておきましょう。
 

スレート屋根が反っている場合

スレート屋根の劣化症状の一つである「反り」が発生している場合、タスペーサーが設置できません。

反っている状態のスレート屋根にタスペーサーを挿入しても、すぐに抜け落ちてしまうからです。とはいえ、自宅の屋根に反りの劣化症状が表れているかどうかは、屋根の上に登って点検してみないとわかりません。

素人が屋根の上に登るのは危険であるため、業者に点検を依頼するようにしましょう。
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タスペーサーの費用相場


タスペーサー代は1つあたり20〜50円が相場であり、一般的な戸建ての屋根塗装にはおよそ1,000個のタスペーサーが必要であるため20,000〜50,000円がタスペーサー相場となります。

ただし、屋根が大きい場合は必要なタスペーサーの個数や設置にかかる工数が増えるため、その分金額が上がります。

なお、手作業による縁切りの場合、2人で作業して約1日ほどかかるため、費用は少なくとも5〜6万円かかります。すべて手作業で時間がかかるため、必要な人件費が多くなり、タスペーサーを設置するよりも高額になるケースが大半です。
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タスペーサーの施工方法


タスペーサーはスレート屋根の屋根塗装において欠かせない部材の一つですが、正しい施工方法で設置しなければ施工不良につながります。

悪質な業者に騙されないためにも、正しい施工方法を確認しておきましょう。

まず、取り付け方についてですが、「屋根材の幅」によって取り付ける間隔が変わります。

・60cm幅のスレート屋根:どちらの片側10~15cmのところに1箇所取り付ける
・90cm幅のスレート屋根:両端から10~15cmのところに2箇所取り付ける

このように、屋根材の幅によって、取り付けるべき箇所が変わります。正しい方法で取り付けられているか確認するためにも、業者にタスペーサーを設置した後の写真を見せてもらうようにしましょう。
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タスペーサーを取り付けるタイミング


タスペーサーを設置するタイミングは、下塗りの後が一般的です。

ただし、タスペーサーには種類があり、種類によっては高圧洗浄後の取り付けるケースもあります。いづれにしても、タスペーサーは塗装前に設置するものであるため、塗装工程前にきちんと取り付けられているか確認するようにしましょう。

なお、タスペーサーは塗装後に取り外す必要がないため、塗装前に取り付けるだけで工程は終了します。
 
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まとめ

今回は屋根塗装に必要な「タスペーサー」について解説しました。

タスペーサーは主にスレート屋根の屋根塗装に必要な部材であり、屋根材同士の隙間を確保することで、塗膜が雨水の通り道をふさいでしまうのを防止する役割があります。タスペーサーがあることで、屋根塗装後の雨漏りや結露を防止できるため、重要な部材の一つといえるでしょう。

なお、従来はタスペーサーではなく、塗膜カッターなどを使用して手作業で縁切りを行っていました。しかし、タスペーサーを使用する方が効率がよい、仕上がりが安定するなどの理由から現在ではタスペーサーを使用するのが一般的です。

タスペーサーは普段の生活では馴染みのない物ですが、依頼者側が必要性や費用相場、どのようなタイミングで設置するのかなどを把握しておくことで、信頼できる業者を見つけやすくなります。

ぜひ今回の記事を参考に、納得できる屋根塗装を行ってください。
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